「ハンドベル」と「ミュージックベル」って別物なのです…「ミュージックベル」についてのQ＆A（１）

こんにちは(*^-^*)

東京都足立区でエレクトーン教室・ミュージックベル教室を開いております「co-nekoみゅーじっく・こねこのて音楽教室」の檜垣（ひがき）です。

確かに、「ハンドベル」って検索すると、「ミュージックベル」の写真が出てきちゃうんですよね(^_^;)
これはどうにかしてほしいけれど、それだけ、この2つの楽器の違いが世の中には知られていないという事でもあり。

「ハンドベル」は「イングリッシュハンドベル」とも言われていて、ネットで買えるものでもなく、おそらくですが楽器店さんでも買えないと思います（私自身、楽器店でお願いしても買えたことがない、です）
専門の「イングリッシュハンドベル」を取り扱う業者さんからでないと買えないのではないか、と思います。

一方、ミュージックベルは、ネットショップ（Amazonや楽天など）でも買えますし、楽器店さんでも取り扱いがあります。
お値段もリーズナブルになっているのが特徴です。

全日本ミュージックベル連盟の指導者資格を持つ立場として、最近いただいたお問い合わせも含めつつ解説していきたいと思います。

「ハンドベル」は手袋をして、「ミュージックベル」は手袋をしない

楽器がさびてしまうかどうか、の差です。
ミュージックベルでも手袋をしている方をお見掛けしますが、演奏中、手が滑ったりしないのだろうか…ちょっと心配になっちゃいます。

ミュージックベルのテキスト・教本というものには、どこにも「手袋をしてください」とは書いてないんです。
持ち手の部分がプラスチック素材の「棒状」なので、手袋すると滑ります。
一方、ハンドベルはベルの部分が銅（詳しくはイングリッシュハンドベル奏者の方々に説明をお任せするとして）なので、素手で触るとさびていってしまい、音質にも影響が出てくるのだと思われます。
持ち手部分は革製で、電車やバスのつり革のように「輪」になっているので、手袋をしていても滑ることがありません。

この差、結構大きいと思います。

「ハンドベル」は「ちょうつがい」、「ミュージックベル」は「バネ」

ハンドベルのベルの中の部分、音を鳴らす部分は「ちょうつがい」のような部品で付いているそうで、2方向のみで音が鳴るようになっているそうです。
それも相まって、大きく手を振り下ろして鳴らすようなフォームが（特に低音）必要になってくるのだと思います。

一方、ミュージックベルの中にある音を鳴らす部分（クラッパーと言います）は「バネ」でくっついています。
360度どの方向にあたっても音が鳴ります。
簡単に音が鳴らせるゆえんでもありますし、高度な演奏ができるようになってくると、逆に「１音だけ鳴らす」のが本当に難しくなります。

よく、ハンドベルの方が片手に2本ずつ持って「ドレミファ」（「ドレ」を片手で、もう片方の手で「ミファ」を持つ）と連続で鳴らす奏法をされていらっしゃるのを見ますが、あれ、ミュージックベルでは不可能です。構造的に2方向のみに動くハンドベルだからこその奏法でもあるのです。ミュージックベルはバネでクラッパーを動かしているので、同じ奏法をしようとすると不協和音が鳴ってしまうのです。

「ハンドベル」は楽器の大きさが音程によって変わり、「ミュージックベル」は音程が変わっても楽器の大きさは同じ

「ハンドベル」を見る機会がありましたら、ぜひこの点はチェックして見ていただきたい部分です。
楽器の大きさが、1音ごとに違うのが「ハンドベル」です。
音程が違えば、楽器の大きさは変わっているのが普通なんだと思います。
例えば、ヴァイオリン・ビオラ・チェロ・コントラバス…音が低くなるにつれて楽器が大きくなっていますよね。
同じように、音が低くなるにつれて大きなベルになっていくのがハンドベルです。

一方、ミュージックベルは、誰でも演奏してもらえるように…と、重さを軽めに統一する設計でデザインされていることもあり、基本的に低音でも高音でもベルの大きさは一緒になっています。
低い音だけで構成される「エクストラベル」という楽器もありますので、一概には「全部一緒」と言えないのですが、ハンドベルのように1音ずつ大きさが変わるということはありません。