オンラインレッスンのクオリティを上げるのは「機材」？「先生」？それとも？

こんにちは(*^-^*)

東京都足立区でエレクトーン教室・ミュージックベル教室を開いております「co-nekoみゅーじっく・こねこのて音楽教室」の檜垣（ひがき）です。

コロナ禍に突入してから、月に1回オンラインミーティングをしている会での話題を1つ。
オンラインレッスンって「機材」が大事じゃないとは言わないけれど、結局「人（先生）」がどれだけ上手に立ち回れるかにかかってるよね、という話題になったのです。

私自身「機材がどうにかなれば」と思っていた

コロナ禍で対面でのレッスンを自粛した時。
これはこのままはまずいぞ…って、真剣に悩みました。

当時、入会してまだ1ヶ月の生徒さんもいて。
「自分で練習しておいてね〜」とは、とてもじゃないけど言えなかった。
他の生徒さんももちろん。
エレクトーンフェスティバル出場に向けて追い込みの時期に入る生徒さんもいたし、なにより「じゃ、次のレッスンでやりましょうね！」という状態で「次はいつ！？」になっちゃった訳で。

出口も見えなかったあの頃、私が飛びついたのは「オンラインで同時に演奏する技術」でした。

大好きなアーティストさん、ヴァイオリニストのNAOTOさんと、ギタリストDEPAPEPEの三浦くんが2人でオンライン上でセッションしている配信を見たのです。
そこから必死に機材の名前をメモして探して。NETDUETTO（現在のSYNCROOM）をすぐにダウンロードして設定して。
一方で機材に関しては、一気にオンライン化が加速したこともあり品薄になり、半年待ち、1年待ちが当たり前の状態に。なかなかNETDUETTO（SYNCROOM）が使える環境が整いませんでした。

当時、Webカメラも手元になく、持っていたノートパソコンはだましだまし使える程度の古さで、インカメラの画質はとても悪く。

主人が持っていたAndroidタブレットで初めてzoomをやってみて、あまりの画質＆音質の悪さでホストの方に「1回画面ミュートしますね」と画面ミュートされたり（この方法もわからず助けてもらった）
のちにこれが回線スピードの問題と気づき、家の中のネット環境を大幅に見直すことにして。

その後も手に入った機材であれこれ試し。
試しては記録をとり、改善点を洗い出し…

多分ですが、半年以上？1年弱？は「機材」と戦っていた自分がいました。

生徒さんの様子を「画面の枠」と「音」のみでどこまで推察できる？

でも。

コロナ禍に入ってすぐ、スマホ1台でオンラインレッスンをされていた先生も結構いらっしゃったのです。
音質の悪さは結構悩ましかったりしますが、でも、ポイントをつかめればできたはず。
それは今でも私自身の反省点でもあります。

多分ですが、今、スマホ1台だけでオンラインレッスンをしたとしたら。
2年前のあの時より、格段に「楽しくて伝わる、ためになる」レッスンを展開できる自信がつきました。

生徒さんとつながれるのは「画面」と「音」だけ。

逆にいうならば「画面」と「音」から、どのぐらい「生徒さんの状況を察することができるか」に全てかかっているような気がします。

機材をバッチリ揃えても。
回線トラブルや回線の混雑状況でうまくいかないこともあります。
それは先生側がいくら上手くつなげていたとしても、生徒さん側でのトラブルが起こっていて…の可能性も。

何が原因なのかを探りつつ、それはあくまでも「レッスン環境」の問題なので、その中でできるレッスン内容をすぐに引き出しから出せるかどうか。

音はうまく聞こえなくても、手がそこでそう動いているなら…きっとちゃんと弾けているはず！というジャッジもできるようになってきたり。
回線トラブルを生徒さんのせいにするんじゃなくて、画面と音から伝わる状況で、画面越しの生徒さんの頑張りをちゃんと評価してあげたい！そのための「判断材料」は「音」だけに限らず「画面に映るもの」だけに限らず、総合的に判断できるかどうか。

音が画面の向こうとこっちでずれるのは、もう承知の上。
レイテンシー（ずれ、タイムラグ）を計算に入れた上での伴奏にも慣れてしまった自分もいて。
「１、２、せーの！」と言っても、生徒さんが入ってくるまでにはタイムラグがあること。
「なんでちゃんと入ってこないの？」いいえ、ちゃんと入ってきてるの。それは先生の知識のせい。

オンライン向きの内容もあるし、対面でないと難しいこともある。
オンライン向きのレッスン内容、どれだけ引き出しに入れてある？
対面でないと難しいと思っていたそのレッスン、オンラインならではの内容にチェンジできない？

今現在、オンラインミーティングの先生方の機材環境は、多分ですが結構な揃い具合だと思います。
全員がオーディオインターフェースを持ち、パソコン、タブレット、スマホそれぞれでオンラインができて、全員でSYNCROOMを使ってエレクトーン5台のアンサンブルをしたこともありました。
なかなかの環境が整っているといえると思います。

でも。

それでもミーティングをやめずに続けているのは「その機材や技術を扱うための先生のスキルアップができるはず」という点から。

今では何かトラブルが起こっても、ほぼ全員が経験した知識・体験をもとに解消できるようになっています。

コミュニケーションが何よりも大事！

対面でのレッスンでももちろんのことですが、何よりも大事なのって「コミュニケーションがどれだけ取れるか」なんだろうな、と思うのです。

すごくアナログな話なのですが、こねこのて音楽教室（足立区）のレッスンでは、今でも「手持ちで使える小さなホワイトボード」が大活躍だったりしています。
生徒さんが自分自身でレッスンノートを書くことも増えました。
対面レッスンなら「来週のレッスンまでにこれをやってみてね」という項目、レッスンノートに書いて渡してあげることができましたが、オンラインだと難しいもの。
子供の生徒さんには、画面越しにホワイトボードに宿題を書いて見せています。
画面の向こうからえんぴつの音が聞こえてきて。

「せんせ、書けた〜！」

画面のこっちで、教室マスコットキャラクターのケロたんと一緒に見守ることも増えました。

「ケロたんがもう1回聞きたいって言ってるよ？」
「え〜？」

一瞬「え〜？」といいつつも、次の瞬間には

「いいよぉ」

って2回目を弾いてくれたり。

画面の外側からケロたんが「マル」の書いてあるプレートを持って画面を横切っていくのを、生徒さんは笑いながら見ていたりして「えぇ〜！早いよもう1回〜！！」なんて。

大人の生徒さんとのレッスンでは、「レッスンメモ」がデジタル化しました。
みなさんとLINEを交換させていただいているので、LINEの「ノート」機能を使っています。
レッスンしながら私の方でレッスンメモを打ち込んでおいて。
必要に応じて、後から参考URLをお送りしたりすることも。
レッスンの様子をムービーでお届けすることも増えました（これは年齢問わず生徒さんみんなと）

「密を避けて」のコロナ禍でしたが、生徒さんとのやりとりは、だいぶ「密」になりました。
レッスン時間の中だけでなく、お互いが言いづらくない関係性を作ってこられたことで、オンラインレッスンでのコミュニケーションも円滑なものにできてきた気がします。

「機材も大事じゃないとは言えないけれど、結局はそれを使う先生の…ですよね」って。

それはこの2年を奮闘してきて、より強く思うこと。

機材も多分ですがアップデートしていきますが、それ以上に「私自身のアップデート」が大事だなって。

立ち止まることなく。
機材に振り回されないように。
使うツールのアップデートに振り回されないように。

常に新しいものを取り入れながら、その過程も歴史も自分の中で混ぜ合わせながら。

まだまだ進化していけそうです。オンラインレッスン。
新たな、もう1つのレッスン方法として。